2017〜2026年度・全258小問を、大単元・中単元・難度・出題形式の4軸で分類しました。ここでは分析結果の要点を無料でご紹介します。
駒場東邦中の理科は、物理・化学という2分野に、基本レベルの設問(A)が10年間で一度も出題されていないという特徴があります。生物・地学には易しい設問が一定数あるのに対し、物理・化学ではもっとも簡単な設問でも標準(B)以上のレベルが要求されます。
その一方で、最上位の難問(D)は2017〜2022年度の6年間、一問も出題されていませんでした。ところが2023年度以降は毎年のように出現しており、しかもそのほとんどが物理・化学に集中しています。つまりこの2分野は、「易しい問題がそもそもない」という骨格を保ったまま、直近で難度の上限がさらに引き上げられたことになります。
駒場東邦中は、物理・化学において「知っていれば即答できる」設問をそもそも用意せず、標準以上の処理力を合否ラインとして設定しています。2023年度以降はこの2分野の難度上限をさらに引き上げる方向に動いており、理系分野における選抜機能を強めていると考えられます。試験構成にも工夫があり、大問1で理科全般への目配りを、大問2以降で1分野を深く掘り下げる思考力を試すという、二段構えの設計になっています。
| 分野 | 難度の特徴 | 頻出テーマ |
|---|---|---|
| 物理 | A皆無。2023年度以降D相当が増加 | 力学が最大テーマ。光・音、電気・磁石も |
| 化学 | A皆無。C・D合わせて6割超 | 水溶液・気体に78.7%が集中 |
| 生物 | 4分野中もっとも取り組みやすい。Dは皆無 | 植物が最大テーマ |
| 地学 | Aあり・Dなし。安定した得点源 | 天体・地層・気象がほぼ均等 |
全体では応用(C)が50.0%とちょうど半数を占め、標準(B)40.3%が続きます。物理・化学はAが皆無でC・D合わせて6割超という、理科全体の難度を牽引する2分野です。対照的に生物・地学はAが1割以上存在し、Dはほぼ出現しません。「選抜の核」を物理・化学が、「安定した得点源」を生物・地学が担うという役割分担が見られます。
物理は力学を最優先で仕上げ、標準を確実に取り切ったうえで、2023年度以降増えているD相当への耐性もつけます。化学は水溶液・気体という一極集中テーマを、計算・実験考察の両面から徹底的に仕上げます。生物は植物を軸に動物・人体の知識を正確に固め、地学は天体・地層・気象の三本柱を均等に仕上げます。あわせて、大問1の複数分野混在に慣れておくことも欠かせません。
note版では、10年分の年度別データと、分野ごとの具体的な学習アドバイスまで掲載しています。