2017〜2026年度(第1回入試)・全216小問を、大単元・中単元・難度・出題形式の4軸で分類しました。ここでは分析結果の要点を無料でご紹介します。
豊島岡女子学園中の理科は、大問の並び順に強い規則性を持っています。大問1は物理、大問2は化学というのが、2017年度から2026年度までの10年間、一度の例外もなく守られています。大問3・4は生物と地学が年によって入れ替わりますが、物理・化学という前半2つの座席だけは10年間まったく動いていません。
難度面では、最上位のD(高度発展)は10年間・216問の中で一度も出題されていません。さらに2026年度は、もっとも易しいA(基本知識)までもがゼロになり、標準(B)とやや難(C)だけで理科全体が構成される、10年間で唯一の年になりました。奇問による選抜は行わない一方で、直近にかけて「易しい入り口」を減らし、標準以上のレベルで最初から向き合わせる方向に、静かに舵を切っている可能性があります。
豊島岡女子学園中は、試験全体の「導入部分」の型(物理→化学)を固定しながら、後半の2枠(生物・地学)については柔軟に調整するという、部分的な規則性と部分的な自由度を組み合わせた設計を持っています。難問を排除しながら、標準以上のレベルで着実に選抜する方針も一貫しており、物理には深い計算処理力を、生物には幅広い知識を、明確に使い分けて要求しています。
| 分野 | 難度の特徴 | 頻出テーマ |
|---|---|---|
| 物理 | A皆無・C比率53.7%で4分野中もっとも重い | 力と運動が最大テーマ。計算が61.1% |
| 化学 | 計算中心でやや重い構成 | 中和・水溶液が45.3%を占める |
| 生物 | A比率26.8%で4分野中もっとも取り組みやすい | 動物・分類・生態系が51.8%を占める |
| 地学 | 資料読解と知識運用のバランス型 | 大地の変化が49.3%を占める |
全体ではB(標準)が45.4%と最大勢力で、C(やや難)39.8%が続きます。もっとも難しい層(D)を用意しなくても、Cという「資料整理・複数条件・計算負荷」を要する層を4割近く配置することで、十分な選抜機能を持たせていると考えられます。2026年度にAまでゼロになったことは、標準とやや難だけで理科全体を構成するという、これまでにない試みでした。
物理は力と運動を軸に、標準以上の計算力を前提に鍛えます。化学は中和・水溶液と気体・状態変化の両輪を、計算中心に仕上げます。生物は動物・分類・生態系を最優先し、知識の正確さで得点を安定させます。地学は大地の変化と天体の二本柱を、資料読解込みで仕上げます。そのうえで、2026年度のような「易しい入り口がない年」を前提に、標準レベルから確実に得点する意識を持つことが対策の核になります。
note版では、10年分の年度別データと、分野ごとの具体的な学習アドバイスまで掲載しています。